動物病院で売上1億いくために実施するべきこと想定対象者:開業3年目から7年目の動物病院の院長先生動物病院で売上1億いくために実施するべきこと想定対象者:開業3年目から5年目以降の動物病院の院長先生年商で1億を超える方法3つの視点力相応一番法から考える動物病院経営を解説していきます。まず大前提として動物病院の売上はどういう構成でできているのかから考えます。力相応一番法とは力相応一番法とは、企業の力に応じて一番になれる『商品』『商圏』『客』を作ろうというものです。もう一度いいます。自分の力に応じて1番になれる『商品』『商圏』『客』を作ることになります。一番になれる『商品』とはもしあなたの動物病院が1病院で年商3〜5、最大7億を超える動物病院なのであれば力があることになるので、あらゆる『商品(ここでは対応できる症例の質と幅)や人材の質、サービス力(ホスピタリティ力)』で圧倒的に一番を目指すのです。様々な症例に対応するために動物病院として用意しなければならないことは、設備です。高額医療機器の質や数といった部分も対応する必要があります。しかしそれだけではありません。人材の質も商品力に関わってきます。獣医師や看護師、受付、トリマーさんにおいてしっかりと医療的な知識も蓄えた人たちが在籍しているのか。また接しやすい人柄や動物病院の雰囲気、わかりやすい説明が行える人材と環境が完備されているのかも重要です。サービスとはホスピタリティのことであり、おもてなしです。おもてなしとは下記意味になります。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおもてなし(御持て成し)とは、心のこもった待遇のこと。顧客に対して心をこめて歓待や接待やサービスをすることを言う。「もてなし」に「お」を付けて、丁寧にした言い方である出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー商圏を広げようまた『商圏』としても、より人口の多い地域に進出することも重要です。『客』はあらゆる客層を取り込もうとすることが重要になります。ただ概ね優先順位としてはより質へのニーズが高い顧客層から順番に客層も総合的に対応する必要があります。立地によりますがもし拠点数を増やさないのであれば、遠方からの集客も考えた商品設計に変える必要があるということです。ただ、基本的にはより人口の多い場所や立地の良い所に移転できるのが非常に良い選択になります。客層を定義した上で広げよう企業とは、力を強めることであり客層もあらゆる客層に対応できる動物病院が競争力が非常に強いと言えることになります。客層を広げるということは、一つ一つ対応できる飼い主のニーズ・需要を広げていくことです。ここについては様々な側面で定義することができます。高齢のワンちゃんを飼っている飼い主とした場合、介護の難しさで困っているのであれば老犬ホームやデイケアを行う必要があるかもしれません。そもそも手術についても、出来るだけ2次診療施設に紹介しなくても完結できる体制を構築する必要も出てくるでしょう。そのように沢山の価値観や環境の異なる飼い主の課題に対応できるサービス力を増やすことが重要になるのです。逆に力がまだ不十分の場合は、上記3つの内容『商品』『商圏』『客』を絞り、特定の方にしっかり満足してもらえる体制を構築する必要があります。1店舗で年商1億を超える4つの方法1.小規模多店舗型動物病院2.専門特化型動物病院3.総合力型動物病院4.看護師総合力型動物病院基本的には上記4つしかありません。後編では上記4つの動物病院の形態について解説させていただきます。小規模多店舗型動物病院小規模多店舗型動物病院とは、年商3000~5000万の動物病院をドミナント戦略で展開していくことです。ドミナント戦略とは下記を指します。—-------------------------出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』1店も進出しない地方がある一方で、出店地域内では多数配置して独占状態を目指す。ドミナント戦略(ドミナントせんりゃく、dominant strategy)とはチェーンストアが地域を絞って集中的に出店する経営戦略。ある地域内における市場占有率を向上させて独占状況を目指す経営手法。ドミナント出店、エリア・ドミナンス戦略、ドミナンスとも呼ばれる。また、日本語で「高密度多店舗出店[1]」や「集中出店戦略[2]」と呼ばれることもある。—-------------------------いわゆる商圏が被るか被らないか微妙なくらい距離の近い場所に集中して動物病院を開業していく形です。小規模多店舗型動物病院のメリット小規模多店舗型動物病院には大きく3つのメリットが存在します。一つ目は機材やお薬などの仕入れ交渉力です。距離が近いことがあり、同じ担当者に交渉できるため相対的に安く仕入れを行うことが可能です。同じ会社との付き合いが長いとそういったメリットが挙げられます。次のメリットとしては、獣医師の先生や看護師の先生を流動的に活躍していただけることです。距離が近いシフトを組みやすかったりとそう言った背景もあります。小規模多店舗型動物病院のデメリットデメリットとしては、獣医師が抜けた時の経営リスクです。どうしても獣医師の先生と動物看護師さんの数に依存してしまうので退職に備える必要も出てきます。会社としての規模が大きくならないと、教育体制も充実させづらいです。新卒の獣医師の先生を即戦力化させづらいなども課題として出てきてしまうことになります。専門特化型動物病院次は専門特化型動物病院です。専門特化型動物病院の場合もメリットとデメリットが存在します。専門特化型動物病院のメリットまずメリットとしては商圏範囲を広げることができる点です。どうしても足元人口が少ない場合や競争環境が激しい場合など遠方から集客できる体制を構築しやすいです。結果として診療単価も上がりやすくなる背景から、高収益な動物病院を目指しやすくなります。また症例もある程度偏りが出るため、スタッフもプロフェッショナルになりやすいなど人材的な部分も大きな効果が出やすいです。ある程度しっかり治療実績を出すことでブランディングも行いやすいため、自分の得意な診療科目に特化できれば非常に年商1億円は目指しやすい形態でしょう。専門特化型動物病院のデメリット専門特化させることはデメリットというか難しさも出てきます。一番難しいのは、その診療科目において専門特化させるだけの知識を有しているかという点です。専門領域を絞って治療を行うということは、それ相応の技術や知識も求められます。場合によっては、症例数やハード面もそうです。また院長先生以外の先生にバトンタッチしづらいこともデメリットになります。どうして院長先生のスキルや経験で集客することになるので、勤務医の先生が育ちづらくなります。専門特化する先生は比較的職人気質の強い先生が多いですが、その辺りをオペレーションなどでも改善する必要が出てくるでしょう。総合力型動物病院次は総合力型動物病院です。これは1拠点で年商3~5億の動物病院を目指す際の王道路線になります。総合力型動物病院とは、いわゆる勤務医の先生も多く、動物看護師さんもレベルの高い人が揃っているなど1.5次診療を目指していく動物病院です。その道中で1億円を超える形になるため、勤務医の先生が1人から2人(正社員)で新患数も外来数も診療単価も徐々に右肩上がりの状態になります。総合力型動物病院のメリット王道の動物病院形態ですが、メリットは採用の仕組みなどいろいろなものを仕組み化しやすい点が挙げられます。年商1億前後の時、院長先生の仕事量がものすごく多くなっているので業務の分担をする必要が出てくる状況です。動物看護師さんに、専門学校向けの就職説明会を代わりにやってもらうなど今まで院長先生が行っていた業務を徐々に引き継いで行ったりしてください。それらの仕組みが今後動物病院がより大きくなっていく際に重要な組織文化やツールになっていきます。総合力型動物病院のデメリットデメリットとしては、院長先生の人間性に問題がある場合スタッフが定着しないという問題が起こります。また勤務医の先生についた飼い主も多くなってくるため、勤務医の先生が退職してしまうと売上も大きく下がる可能性も出てくる形になります。基本的には、マーケティング力をしっかり高めつつ組織構築の足元を固めながら院長先生が行っていた業務を減らしていくようにしてください。看護師総合力型動物病院最後に看護師総合力型動物病院について解説します。このケースは、獣医師が院長先生1人のみの場合です。動物看護師さんに、獣医師がしないといけない業務以外をになってもらうことで年商1億円を突破することができます。看護師総合力型動物病院のメリットスタッフ一人当たりの売上で考えると、1000~1300万で想定してください。単純計算で1億の動物病院であれば、獣医師1人、動物看護師が9人(トリマーも含む)という形です。メリットとしては、動物看護師の定着率が高い動物病院であれば経営が安定化しやすい点が挙げられます。看護師さんが病気の解説をする機会も増える動物病院のため、動物看護師さんがしっかり勉強していくことが大切です。飼い主が看護師に相談しやすくなる院内の仕組みと、動物看護師さんが自発的に勉強し、飼い主に説明するアウトプットの機会が増えることが欠かせない動物病院形態と言えるでしょう。看護師総合力型動物病院のデメリット看護師総合力型動物病院のデメリットとしては、院長先生の人柄ありきという点です。また看護師も含めた全員経営の体制を構築する必要も出てきます。看護師長という役職を置きつつ、ベテランスタッフがうまく動物病院を回していく体制を構築するのが大変で、看護師長に誰を抜擢するかの人選のセンスを問われます。この辺り、院長先生がどのような経営判断を下せるか。やる気のあるスタッフに継続的に成果を出してもらうために何をするかなど、人のマネジメントの側面が強いです。最後になりますが、皆様の参考になれば幸いです。株式会社Miracle