今回の目次動物病院の現状について市場を供給側から考える動物病院の集客方法を解説する前に、動物病院の現状について少しだけ整理させていただきます。画像引用:https://www.maff.go.jp/j/council/zyuizi/keikaku/r1_4/attach/pdf/shiryo191127-5.pdf所管としては、今後の経済の不透明さから公務員を目指す獣医師学生が増えている印象ですが、小動物臨床に関わる獣医師の先生は軒並み増えている状況になります。今後岡山理科大学獣医学部の学生も小動物臨床医になる人も増えてくるので、全体的な数としては増加傾向にあると思います。現状からわかることとして、今後も動物病院(小動物臨床)の供給側は増え続ける可能性が高いです。では需要(動物病院側の市場規模)側はどのようになるのかも見ていきましょう。市場を需要側から考えるワンちゃんの飼育頭数の推移出典:一般社団法人ペットフード協会こちらの画像は一般社団法人ペットフード協会の資料ですが、こちらのグラフを見ていただくとワンちゃんの飼育頭数は減っていることがわかると思います。今後予測できることとしては、団塊の世代が退職後(60歳時)に飼い始めたペット(60歳定年時代に子育てもひと段落して飼い始めた)が、シニア期(10~15才)に突入したことでペットにしっかりお金をかけているというのが大きいです。その団塊の世代が、75歳以降に新しいペット(平均寿命が15年前後)を飼う可能性は低いかもしれません。結果として犬の飼育頭数は相対的に減少していく可能性が高いというのが弊社の見解です。それでは次にネコちゃんの数を見ていきましょう。ネコちゃんの飼育頭数の推移出典:一般社団法人ペットフード協会こちらについては、ワンちゃんに比べると少し減少幅がゆるやかになっております。ネコちゃんの場合、散歩の必要性などがなく比較的飼いやすいというのも大きな理由です。ただ、全体的にお金をかける割合で行くとどうしてもワンちゃんに比べてお金をかけづらい背景があり、全体的なペット市場としては課題が浮き彫りになっております。では、このような状況の中で今後動物病院の集客方法として適切なものが何なのか振り返っていきましょう。動物病院の集客方法を考えるではここから実際に動物病院で有効な集客方法について振り返っていきます。まず最初に誰に対しての集客なのかを意識しましょう。みなさま、動物病院における新規患者の比率はどのくらいでしょうか。そもそも集計されていない動物病院も多いと思いますので今後は是非集計してください。出来るだけ月当たりの比率が5%(新規患者/全外来数)以上を維持できるようにしてください。※売上規模3億以上/1拠点あたりの動物病院は対象外です。大きく動物病院の集客には、下記2つがあります。1.新規飼い主2.既存飼い主新規飼い主を集客するためにするべきことではここから具体的に新規飼い主を集客するための方法をお伝えします。その際に貴院がどの立地や競合環境にいるのかが非常に重要です。都内で駅から徒歩7分圏内あたりに動物病院の場合もし通りに面しているのであれば、重要なのは看板(できれば屋外用デジタルサイネージ)などが最も優先順位が高いです。もちろんWEBマーケティング周りも重要なのですが、そもそも通行人や散歩で通られる方もいるため、どんな動物病院でどんなサービスを受けられるのかを認知してもらうにはデジタルサイネージなどが投資対効果として高いです。ただ、前提として通行量が多い必要があります。そうでないのであれば次の郊外の動物病院と同じ対策をしてください。郊外で車で来院するような動物病院この場合はWEBマーケティングに振り切ってください。具体的にはHPを綺麗にして診療の疑似体験が完結するものを作り込む。また、コンテンツSEOも意識したHP構成にする。その上で導線となるグーグル広告などの出稿を正しい設定で行う必要があります。既存飼い主を集客するためにするべきことここについては動物病院に規模や立地などは関係ありません。一番大切なことは、次の来院の予約を必ず押さえることではありません。来院された際に、飼い主の方に下記2点を提供することです。治る治るとは、病気を治すことです。自宅でのケアを飼い主に委ねた結果、病気の治りが遅いのであれば代行するべきです。動物病院の一番大切な価値は病気を治すことであり、ここができなければどれだけマーケティング力があっても長く続きません。わかる意外と疎かになりやすいのが病気を飼い主がわかる(今ペットに何が起きているのか理解できる)ことです。小学生でもわかる日本語を使い、説明ができているのかなど見直してください。その上で、小手先の手法論としてはLine公式アカウントやインスタグラムなど常に飼い主の頭の片隅に動物病院の存在がちらつく状態を維持することが大切です。最近では、youtubeに力を入れている動物病院や、インスタグラム、Tiktokなど様々な媒体に力を入れている動物病院があります。このようにとにかく認知をし続けてもらうことを意識してもらえたらと思います。